この秋は虹を見る機会が随分と多かった。
光と雨とが創り出すこの光景は、それだけ大気の状態が不安定だったとうことだろう。
真っ白な季節がそこまで来ている。
この虹が今年の見納めになるかもしれない。
鉛色の空の下で葉っぱも実も紅く色づいたナナカマドが坂道を彩り
目前に迫る冬を前に今年最後の輝きを魅せていた。
そんな街を歩くと、ここにもアジアの色々な言語が飛び交っているのだった。
よく晴れた日の午後、村人が畑に集まりタカキビの刈り取りをしていた。
穂の付いた部分を鎌で刈り取り、残りの茎は草刈機で刈り倒して畑へ鋤き込まれる。
脱穀に使うのはコンバインだが、その実をこぎ落とすこぎ胴は明治時代に発明され
基本的型は変わらぬまま今もこうしてエンジン付きの台車に載せられた形で使い続けられている。
秋の色、赤い色、枯れていく姿なのだか枯れ色とは言わない。
秋の色、赤い色、緑色から変わっていくのに色づくって言う。
秋の色、赤い色、ひやおろしを呑んで人も色づく。
裏庭のつつじが咲いていたと妻が言っていた。
こんな時期に咲くと狂い咲きと言われてしまうが「二度咲き」と呼ぶことにしよう。
来年は皆とは咲けないけど一年に二度咲く花の一生も悪く無い。